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海外視察報告・富良野自然塾


     
県外視察報告(富良野自然塾)平成22年10月
 


 

「今から息を止めていただきます。何分持ちますか、皆さんも試してみましょう」
「皆さんが生きるために、最も必要なものは何でしょうか?」
「問い掛けですので、直感的に答えていただいて結構ですよ」
 答えは「・・・」
「では、皆さんの後ろにある白樺の木は人間で言えば、何歳でしょうか。また、葉っぱを何枚つけているでしょうか?」

 富良野プリンスホテル横のゴルフ場跡地に拡がった「緑の教室」と呼ばれる大空の下での木製ベンチに腰をかけ、こうしたやりとりから、富良野自然塾が取り組む森づくりのお話は始まりました。
 普段とは全く異なる環境で、普段では当たり前過ぎて考えたこともないようなお話が続くにつれ、今更ながら自然の恵み・森の有効性に気付かされます。

 次は、目隠しをして様々な素材の上を歩き、視覚以外の感覚を感じる「裸足の道」へ。ここでは、目からの情報に僕たち生活の大部分が依存している現実を改めて把握することになります。ちなみに僕はつまずいたり、こけそうになったり、長男は目が廻ってしまったみたいです・・・。

 その後、「石の地球(地球が奇跡の星と呼ばれる所以等を直径1mの地球のオブジェを使いながら解説)」、「地球の道(地球の歴史46億年の時を、460mの距離に置き換え、創られた道をインストラクターの解説を伺いながら歩き、現在に至る地球の壮大なドラマを体感)」へとステージは移り、樹が育つにはゴルフ場跡地の現地がいかに過酷な条件下であるのかを作業の中で体感するため「植樹」を行います。

 とりわけ、「地球の道」では、人類誕生から本当にわずかな期間でこれだけの地球環境の破壊が行われているということに思わず絶句・・・、「地球は子孫から借りているもの」という石碑を前にやっぱり考えさせられますよ・・・。

 

 

 これが概ね???北海道富良野市にあるNPO法人CCC富良野自然塾(http://furano-shizenjuku.yosanet.com/)が行っている環境教育プログラムであり、来春、このプログラムが道内から初めて外へ出る地が、実は僕たちの住む今治(今治新都市内西部丘陵公園内に整備中)なのです。
 以前から同事業に大変興味を持ち、市内の有志で勉強会を重ねて参りましたし、「なんとか愛媛の環境教育の拠点に出来ないか、或いは、地域活性化のツールとして考えることが出来ないか」、そんな思いから、僕も一度は本場の教育を受けてみたいと希望させていただいており、今回、念願叶い現地を訪問させていただいたのです。

 ありがたいことに塾長である倉本聰先生にも面談させていただきました。
 倉本先生からは、現在の森林の状況や森林・一次産業を守るための徴農制度の導入、富良野塾の成り立ち・意義・これまでの活動とこれからの活動等々について、大変わかりやすくお話をいただき、最後に、観光まちづくりの5つのキーポイントも伝授いただきました。
 ここで余談ですが、家内がドラマ「北の国から」の黒板ごろうさんのファンでありまして、そのことを先生にお伝えすると、おもむろに家内宛てのメッセージを色紙に書いて下さり、これには、普段、冷静沈着な家内も思わず感涙・・・といった一幕もありました。

 さて、環境教育プログラムを終えた僕たち一行はホテルに戻り、「闇の教室」と称する全く光のない世界を体験させていただきましたが、視覚を完全に封じることによって普段あまり機能させていない五感を体感することが出来、これには、僕も家内も長男も驚きと同時に大変感動的な体験をすることができました。是非、お勧めですね!

 終わりに、全てのプログラムを終えた感想を申し上げておきます。
 聖地での本物の良さを体感し、こうしたプログラムが本当に我が故郷に来るのかと思うと大きな期待と同時に不安も同じくらい感じています。それは、聖地とは環境そのものも全く異なりますし、今治バージョンは行政という「公」がハ−ド・ソフト両面を担わなければならない点です。
 今治市において、同施設をどのような位置付けで事業運営を行うのか、事業展開に際して、最大のポイントの一つとも考えられるインストラクターの養成を今後どうするのか、また、どの程度、聖地のエキスを今治という坩堝に落とし込み、今治ならではのストーリーを描くことになるのか、或いは、その受け皿をどのように育てていくのか等々、官民挙げて取り組まなければならない課題は山積しているように思えます。
 それでも、こうした課題は一つひとつ解決させていかなければなりません。西部丘陵公園と富良野自然塾との連携が今治における社会協働の大きな一歩となることを心から念じますと共に、僕自身も実働部隊の一人として、これからも汗をかいていきたいと決意を新たにした今回の視察でした。